問題
- ABSに初挑戦したところ印刷から1時間程度経過後にパチッという音と共に突然電源が落ちた
- 主電源を電源を入れなおすも本体パネルのバックライトが点灯しない
- スイッチング電源のFANは動作している
環境
- Anycubic Kossel Delta Plus
- 3Dプリンタに付属の12V25Aスイッチング電源を使用
解決
出力電圧を調べる
本当に電源の問題なのかを切り分けるために最初に出力電圧をテスタで計測します
出力は0でしたので、電源側の問題でした
可変抵抗で出力電圧の調整ができるっぽいので、試しに回しましたが変化なし
そもそもLED1が点灯してないので内部DCも通電してないのでしょう
ヒューズの状態を調べる
まずはAC側に最も近いヒューズを見て、問題なさそうであればテスタでぱっと通電チェックする
爪でひっかくとパカっと開きます
結果はシロ
しかしこれ、配線を追ってもどこにも接続されていない浮いてるヒューズに見えるんだけど...
本当に意味あるのか??
次に回路側のヒューズを見て、こちらも外見上問題なさそうであればテスタでチェック
結果はシロ
どうやらヒューズは切れていないようです
しっかしヒューズ以外の壊れ方するのは正直なところかなり怖い壊れ方なんですが...
パワートランジスタを調べる
ヒートシンクに接続された2個の大きなNPNトランジスタが乗っていたので調べました
NPNは確かベースからコレクタに通電するがコレクタからベースには通電しない(はず)なので、テスタの通電チェックで確認します
写真はありませんが、結果は2つともシロでした
ちなみに使われていたのはSBW13009で常時最大12A, 瞬間最大25Aなやつっぽいです
電解コンデンサを調べる
個人的に液漏れなどで一番壊れやすい部品だと思っているので目視で確認します
結果はたぶんシロ
見た目は大丈夫そうです
ACが入力できているのか調べる
高電圧やACはあまり触れたくないのですが、そもそもAC電源が引っ張れているのか調べます
テスタをACモードにして計測
結果はシロ
ちゃんとAC100Vは入力できているみたいです
基板の状態をチェックする
これが駄目なら、オシロスコープで整流前後の電圧をチェックするしかないのですが、その前に完全に分解して半田の状態を確認します
おや、なんかICの足が取れかかっている部品がありました
結果はクロ
どうも整流器のMBR30100PTの足が取れかかっているっぽいです
なるほど、そりゃ動かんわな
しかしなんで突然半田がひび割れしたんだろうか?
熱で半田がやわらかくなっているところをヒートシンクの留め具の力でぱきっといったんだろうか
とりあえずこいつは怪しいので半田を盛って修理してやります
通電させてみる
12Vを若干オーバー気味ですが動作しました
半田不調が原因だったみたいですね
可変抵抗で12Vとをちょっと超えるくらいに調整して配線しなおして組み立てます
このプリンタは12V-30Vまで使えるボードみたいなので調整なしでも動きますが気持ち的に調整しました
全部組み立てて、スイッチオン
とりあえず復旧しました